うちの会社が運営する直営ショップに藍染めとインディゴ染めの製品をメインに扱う店舗がありまして、将来的に私はここの製品を海外に広めていく仕事に就くと思われ、藍染めについて勉強するために取引先の1つである青梅にある工房「壺草苑」に行ってきました!!
藍色はこの葉っぱからしか取れません。中央の葉の端っこが青いのわかりますか?
といっても葉っぱをつぶしたりして色を抽出するわけではありません。
葉を発酵させることによって「すくも」と呼ばれる腐葉土ができます。
アバターのような手の先生(笑)が持っているのが徳島で作られたすくもです。
これに日本酒、石灰、灰汁、ふすま(小麦の外皮)を加え、1週間~10日かけ発酵させた液を作るのです。
藍染めの黄金期である江戸時代を中心に行われていた染め液を作る方法で、天然藍灰汁醗酵建(てんねんあいあくはっこうだて)と呼ばれていて、科学薬品は一切使用せず、自然界からとれる原料のみを用いています。
まさに藍は生き物。調子が悪くなる藍があったり、壺によっても状態が違うらしく365日状態をチェックする必要あり。
でっかな壺に入った染め液。水は全く入れていないそうです。
この壺は大人がすっぽり入れるくらい大きいものらしい。
Tシャツに染み込ませたばかりの藍の色は、緑っぽいような黄色っぽいような色なんです。
あの藍色ブルーは空気に触れることで酸化され初めて現れるのです。
天然の化学反応から生まれる色!すごいよね~
天然藍を原料とする「すくも」を生産している上の写真の5人は藍師と呼ばれ、文部科学省指定無形文化財に登録されています。
現在ではすくもを生産している藍師は徳島に住むこの5人と北海道と沖縄だったかな?の7軒だけで、年間の生産高は1100俵のみ。すごく貴重なものとなっているそうです。
若手の職人さんたち。かっこよかった~
今回はTシャツの絞染めを体験します。
下描きをしている人もいたけど、私は感覚で!
ビー玉や石を包み、色を入れたくないところを輪ゴムや糸でくくります。
藍の色が入りやすくなるようにお湯につけます。
いよいよ染めはじめます!
液体の中でも酸化し色ムラができてしまう可能性があるので、空気が入らないよう慎重に藍へ。
液につける→しっかり絞る→広げて酸化する(色を出す)という工程を繰り返します。
藍色がちゃんと入るように肩の縫込み部分とかをしっかり広げてもみもみします。
独特の匂いの中、足はしびれるし、腕は疲れるし腰は痛くなるしで本当に大変な作業!
職人さんはすごいなぁ。
中間色を作るため、途中で絞りを何個か外します。
腕まで真っ青!石鹸で洗っても全ては落ちず、数日間残ります。
他の体験者は手袋してたけど、私はあえて素手でやってみました(会社のみんなに青い手を自慢するため笑)。
6回くらい?染めた色。
絞り部分を取ったところは白い柄になってます。
これからまた染めるので、この白い部分はまだ絞ったままのところより藍色が入り、中間色ができるというわけ。
ここで染められた製品も売っています。
一目ぼれしたスカート!
藍のグラデーションが美しいスカートの上にやわらかいチュールがついたスカート。
衝動買いできる値段ではなかったので諦めました。
肌触りの良い靴下
美しい反物。
おかんが藍染めの着物が欲しいと言ってたので今度連れてきたいな。
かなり高価なものだけど、藍染めには虫や有害菌から身を守る効果があり、アトピーなど肌が敏感な人にも「優しい」と言われているし、何より信頼のおける染色屋さんから買うなら安心できるしね。
手間や管理の問題から今でも天然藍灰汁醗酵建(てんねんあいあくはっこうだて)にこだわっている工房は少なくなっていて、化学薬品を取り入れている工房も増えているらしい。
それでも藍を使っているから最終的に藍染めとうたっているところも多く、素人が製品を見ただけではわからないので残念なことです。
壺草苑みたいに364日休まず本藍と向き合っていい製品を作っている工房を応援したいし、だからこそ出所のよくわからない商品は買わないようにしたい。
ちなみに100%天然の藍染めをされた商品を洗うと、青色ではなく、このように茶色っぽい色がでてきます。
これはすくもの成分です。
逆にいうと、洗ってみて茶色い水にならないのは本藍商品ではないということになります。
そしてこれがインディゴ染め製品を洗った場合の色。
藍染めとは違って、真っ青な色になります。洗うとどっちの製品なのかわかるのね~
みんなが帰った後に特別授業をしてくれて色々藍染めの歴史や作り方を教えてもらい、本当に勉強になりました!
また体験しに行くつもり。日本は本当に素晴らしい技術や伝統をたくさんもってる!
ちなみに今、枻出版から出てる2ndという雑誌、こちらにうちのプレスや藍染め製品が載ってます。
色んなブルーが特集されていておもしろいです。ネイビー色の靴とかかっこよすぎてしびれます。
そしてやはり女性ものより男性のファッションのほうが面白い。
なんつーか男性もののほうがストーリー性があるものが多いよね。
だから女性のファッションほど流行が激しく変わることがないのかも。
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